=家なき人々の中で=

アマディアール アスガル
医学博士 小児科医師
過去25年の間、祖国アフガニスタンの青くきれいな空は、戦争の雲に覆われてきました。暗く、悲しい雲は、雨を降らせることもなく、晴れることもありませんでした。
国境の両側から、祖国に覆い被さった黒い雲は、アフガニスタンの人々に大きな苦しみをもたらしました。
人々は、その疲れた頬をやさしく慰めてくれるはずの星の輝き、平和の光を見ることが出来ませんでした。
25年間の戦争の中で、150万人の人々が殺され、150万人の人々が不具者になりました。学校、病院、道路、工場、農園、灌漑施設、発電所の80%が破壊されました。公共施設のほとんどが完全に、或いは部分的に破壊されました。
科学者や、先を思いやる人々は、こぞって海外に逃れました。
多くの子供が孤児になり、学校へも行けませんでした。
山や草原も、悪魔から逃れることが出来ませんでした。
山の麓には、武器の山が出来、草原は、2500万個の地雷の海原と化しました。地雷は、旧ソ連軍、ムジャヒーデン(聖なる戦士、ゲリラ)によって埋められたものです。アフガン人一人に、一個の地雷があります。
戦争が始まる前、カブール博物館には、世界に誇れる展示物がたくさんありました。我々の祖先からの贈り物でした。これらは、国の誇りであり、人類の偉大な財産でもありました。
残念なことに、この歴史と文化の遺産は、全て破壊されてしまいました。
戦争は、我々の全てを飲み込んでしまいました。
今、黒い雲は晴れ、平和の空が、青く澄み渡っています。今こそ、一生懸命に働くときです。全てのアフガンの人々を助けなければなりません。特に、貧しい、無垢のアフガンの子供たちを。
我々は、助けを必要とするアフガニスタンの人々に、人道的な支援をしていることに、誇りを感じています。
そのためには、家族と永い間離れることも、苦ではありません。
貧しいアフガンの子供たちの困難は、自分自身の家族の困難よりもずっと大きなものです。
毎朝、JIFFメディカルセンターに並ぶ患者の物音で目が覚めます。彼らは誰か?
何を必要としているのか? どこから来ているのか?
答えは、簡単です。戦争で、夫や家族を失った母親たちです。
彼女たちには、未亡人となり、家族のなかに他の稼ぎ手のない人々もいます。彼女たちは、涙ながらに、声を詰まらせながら、我々の質問に答えてくれます。
彼女たちの子供は、いろいろな病気におかされ、栄養失調に陥っています。彼女たちは、我々の診療所に治療を受けにきて、栄養失調の子供たちのために、ミルク、砂糖、米、ビスケットなどの栄養補給品を貰っていきます。
毎日多くの患者が来ますが、資金面から、300人しか受け付けることが出来ません。
私たちJIFFは、1988年から、日本の皆様のご支援を頂き、アフガン人の苦しみを和らげるために働いています。
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