JIFFセンター近況報告
小児科 加賀谷厚![]() |
| もう、一ヶ月たちましたが小児科医の立場から近況を報告しようと思います。予想はしていましたがやはり、
医療、患者の質、環境すべてにおいてギャップを感じています。 まず病気の子供たちですが皮膚疾患を例にとれば、日本で言う”とびひ”の患者さん。日本ではまず清潔が第一だけど、こっちでは替えの服もない、もちろんお風呂もない、それではいくら薬をだしてもよくなりません。 こっちへきて、最初の診察の時、”熱はありますか? 何度ですか?”と覚えたペルシャ語で意気込んで聞いたのですが、”????”で反応なし。なんてことはない家庭に体温計などないのです。それどころか誕生日すらあやふやです。もちろん体重などもってのほか、日本と同じ尺度じゃ、やっていけません。 もっと早く対応していればここまでひどくなることもないのにと思う子供たちもいっぱい来ます。 この前、6歳のポリオによる麻痺、拘縮で歩けない女の子がやって来ました。ここまではこっちでは珍しい話ではありません。ただ違うのはこの子の普段の歩行は四足なのです。母親と犬の散歩のように歩くその姿は悲惨という言葉だけじゃ語れません。 話を聞けば松葉杖を買うお金がなかったそうです。スタッフのカンパで松葉杖を購入しましたが、”なぜもっと早く?” と思うのは日本人のおごりでしょうか?日々の食べ物さえままにならない人達にとっては足があるだけでも感謝しなきゃという気持ちかもしれません。 子供には未来があります。このなかから将来アフガニスタンの平和を担う子が出てくるかもしれません。 ノーベル賞を取る子供も出るかもしれません。これは日本でもおなじこと。ただ違うのは見る環境が絶対的に違うことです。日に何百人と診てると言ってももごく一部の子供たちです。私たちが行っていることは小さいことかもしれません。ただ、一年の収穫は種をまく春次第です。それが今だと 思っています。 |
看護部長 小池 とし![]() |
| ペシャワールに着きちょうど1ヵ月が過ぎました。朝夕と日中の気温の差が激しく半袖になったり上着をきたりストーブをつけたり1日に何度も衣替えをしているような現在のペシャワールです。
私たちは新しいプロジェクト”栄養失調児のケア”に関わって仕事をしています。母親たちを見て感じる事は洋服の替えがないのかほとんどホコリまみれです。子供達はハダシの子が目につきます。JIFFのマークの入った布製の袋に毛布、ミルク、砂糖、ビスケット、哺乳瓶、油を1セットにして、栄養失調と診断された親子にあげています。 その中で栄養失調と診断されなかった児も日本に比べればかなり小さく感じられ、親としては何かをもらって帰りたいため、その様な母親との対応がなによりも大変な状況です。 言葉がおたがいにわからないため理解してもらうには、なかなか時間がかかっています。 当然ながら患者さんは、増加しています。またラマダン月(断食月)のため母親たちは、母乳が出ないことを訴えミルクをほしがっています。 庭に作ったテントのなかで朝からミルクを作り、哺乳瓶を持ってくる人には100〜150ml位を配っています。哺乳瓶のない人はカップや空びん、ペットボトルまで持ってくる人がおり、収集がつかなくなってしまう事もあります。 テントの中のストーブのそばでは毎日黒ネコ(づっといついてしまった。)が最高の時をすごしています。一方では、オムツもパンツもない子供をかかえた親たちが一生けん命自分の順番の来るのを待っています。 1日も早く自分達の生活力で毛布や洋服をみにまとい、あたたかな家に住める日の来るのを祈るばかりです |
![]() 栄養失調の小児患者を対象に食糧配給を行っています。 (粉ミルク、砂糖、食用油、毛布、ビスケット) |
| 御礼の言葉 |
小児科医 アスガール医師 ![]() |
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30年前は平和で緑も沢山あったと言う国の話をします。アフガニスタンは昔から貧困があっても、国民は平和な暮らしをしていました。この国は東西の十字路に位置し、シルクロードの中心地帯と呼ばれています。1979年旧ソ連の侵略により戦争が始まり、突然平和を失い、罪のない一般国民が戦争に巻き込まれました。戦争や内戦が23年も続き、大勢の国民が犠牲になりました。この長い戦争に特に被害を受けたのは弱い立場にいる女性や子供でした。一日も早く平和が訪れることは国民一人一人の願いです。 戦争が終わったとは言え、地方においても治安が悪化し、「本当の平和が来るのか」という不満が国民の中に消えていません。国際社会の支援によりアフガニスタンは復興に向かっていますが、長い戦争の後遺症はまだまだ続いています。妊婦や乳児の死亡率が非常に高いです。栄養失調や感染症で苦しんでいる子供がたくさんいます。貧困が続いている状況の中、長い戦争で教育制度・医療制度など生活基盤が破壊されてしまいました。本当の復興はこれからです。しかし、希望が見えています。たくさんの子供が学校に通えるようになってきました。その一方、学校に行きたくても行けない子供もいます。戦争で親を亡くし、仕事をして家庭を支えている子供は学校に行くことができません。日本の子供が全員学校に行けるというのは、大変幸せなことです。 医療面で母子保健は深刻な問題で、弱い立場にいる女性や子供の健康改善のために、また栄養失調など病気で苦しんでいる子供たちの命を救うために、JIFFはこれからも頑張っていきたいと思います。 私共、JIFF医療活動に大きな力になっている皆様のご支援に対し、心より感謝を申し上げます。皆様の多大なるご支援により、JIFFの活動がさらに拡大し、患者さんからの感謝の声“タシャコール:ありがとう”が多く聞かれます。JIFF診療所に一日350人の患者が訪れ、その中で250人は子供です。一日20人の栄養失調の子供にミルク、高カロリービスケット、食用油、米を配布しております。今年の2月から男女別リハビリ(理学療法)も開始し、男性一日25名、女性一日45名の診療をしています。 最後に、これからもJIFFは医療支援を通じて、微力ではありますが、アフガニスタンの国が「平和な普通の生活ができる国」になるよう支援して参ります。 JIFFカブール診療所 院長(小児科医) |