ネパールの妊産婦現地報

 今、ネパールの産婦人科医会や周産期医会でのスローガンは、どうやってネパール妊婦を安全に保ち、無事出産させるかということである。 しかしカトマンズのような病院のある都会と違って、山間地帯の多い住民にとっては医療施設ははるかに遠く、日本のようにすべての妊婦が母子手帳を配布されて管理されるという体制もなく、加えて医師や助産婦が極めて少ない。
城西病院の相馬医師が約20年にわたりネパール妊婦管理を調べて、高い母体死亡率(10万人の出産に対し約600人母体が分娩時死亡する)の原因として次のような諸点をあげている。

  1. ネパールでは一般に早婚であり、若年妊婦が多いため妊娠に対する知識に乏しい。
  2. 医療施設が遠く、経済的にも、自宅分娩が多い。したがって訓練のない姑などの手によるお産が多い。そのため出血や感染を生じる。
  3. 一般に妊婦は貧血の頻度が高く、低体重児出産が多い。
  4. 緊急時の医療施設への搬送に時間がかかる。
  5. 最近、分娩介助者がお産のとき手を洗いましょうという運動が首相夫人先導でなされた。
  6. 要約として医療設備を地方に増やすということよりも、助産婦の養成の急務や妊産婦教育を展開することが必要である。


妊婦を診察する相馬医師

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